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第8章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 1

咲楽斎、という存在は、周りに認知されていなかった。あれほどの容姿を晒していながら。

目立たぬよう、目くらましの術をかけていた、と言っていた。

けれど、私の彼氏という名目が出来てから、目くらましの術を掛ける事も止めたらしく、

全校生徒、特に女子生徒に噂が一気に広まった。

『カッコいい人がいる』と。

既に数人告白したとかしないとか。

斎の噂は事欠かなくなっている。とともに、彼女のポジションに座らされている私の噂も、瞬く間に広がった。

見知らぬ同性に、睨まれること、多々・・・。

・・・とばっちりもいいところ、なんだけど。

「とりあえず、見えてるキスマークだけでも消さなきゃ」

斎の恋する同性にこれ以上、恨みを買いたくない。

特に・・・あの佐倉紗香お嬢様、とか。もう恨まれてる可能性もあるけど。

多分、斎がその辺は抑えているのかな。直接的な嫌がらせなどはまだ、ない。

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