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第8章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 1

悠里に場所を聞いて、走って寮に戻り、急遽、コンシーラで、キスマークを薄めた。ばんそうこうを貼るのは、逆に目立つ気もして止める。

「・・・結局、何だったんだろ」

あの血まみれがなんだったのか、結局は教えて貰えなかった。そのまま流されて・・・最終的には、セックスしただけ、で。

時間が経って、あの血まみれの服も捨てたのか見当たらない以上、何となく話を蒸し返せなくて、うやむやのまま。

好意を持たない相手とのセックスは、セフレと何ら変わらない気が・・・。

「・・・・・・複雑」

ほんっと、心中は複雑なのだ。抵抗しない私も私では、あるけど。

大概において流され、そのまま身体を重ねる。普通じゃない事は解ってる。

けど、常識的な学校生活と、斎によって翻弄される非日常は、線引きできないほど混ざり合っていて、

感情のどこかが壊れたのか、麻痺したのか、斎に対するあらゆる抵抗感が・・・ほぼない。

術が効かないとか言ってたけど、十分斎の思う通りに、なってるとも思う。

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