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第8章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 1

何が“お出まし”するの・・・?まさか・・・化け物・・・?

徐々に陽が落ち、暗くなる部屋に不安が増大しそう・・・。

「・・・うわっッ・・・・・・」

今度は何!?と思うと同時に後ろから体重が伸し掛かる感覚。慌てて数歩離れて振り返ると、

私の口を塞いでいた男も倒れていて、男の傍に、人影。

ヒトの形はしている。けれど、顔の識別がもう暗くて出来ない。まさかもう1人潜んでいたなんて!!

数歩後ろに下がる。後はこの図書室の入り口であり、出口。ドア前に先輩が倒れてるけど、そこは跨いで・・・。

「いつまでそこにいる気だ?早くこっちに来い」

「!!」

聞きなれていた声にビックリ。と同時に、新たな人じゃなかった事や、お化けの類じゃなかったことによる安堵。

ただ、その感情は一瞬で、最後に残った感情は・・・困惑だった気がする。

何故、ここに“お出まし”したのか、理解出来なくて。

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