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第8章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 1

暗闇の中・・・。

慌てても仕方ないので、手探りで少しずつ歩いて、とりあえず壁を探す。

一歩、また一歩、慎重に歩いて。

記憶の中にあるこの部屋は、基本真ん中に椅子。一番奥に黒板。その前に教卓・・・だから障害物はあまり、無い。

というか、この部屋に依然入った時は真っ暗ではなかった記憶がある。

窓があり、遮光カーテンの様なもので、光を遮っていた・・・筈なのに、まるで窓など一つも無いかのように、真っ暗で無機質な感じ。

「あ」

指先に何かが触れた。・・・壁?

一歩前に足を出し、確実に触れたと思えばそれは、体温があって。

「キャァッ」

触れたと思ったと同時に、捉えられ引っ張られた先は・・・。

「捕まえた」

・・・よりによって、斎。多分人外の彼には、光のあるなしは関係なさそう・・・。

「絢乃」

消え入りそうな声の斎。ぎゅうっと苦しくなる身体。

それは斎のまわった腕の締め付けのせいか、それとも斎の儚そうな声のせいか。

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