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「は、離して」

明らかに動揺が声に現れた。強く拒絶していない、小さく遠慮気味の声での、反論になっていない反論。

そんな声だった事に、自分自身驚く。

「言い訳と種明かしするから」

だから何だというの？という疑問を口にする前に。

「そろそろさっきの奴らが起きる。そこからが種明かし。だから声を出すな」

言い訳はどうでもいいけど、種明かし、には興味を引かれ、それ以上、口を噤むと、

目の前に小型テレビぐらいの光る四角い画面の様なものが現れた。

眩しくて、思わず目を瞑る。その後少しずつ瞼を開き、光の方を見ると、その光の中には、第2図書室がしっかり映っていた。

暗いけれど、ちゃんと暗視カメラで覗いたような画像で。

しっかりと斎に抱き締められたまま、という状況をすっかり失念した状態のまま、とりあえず目の前に映る映像を、食い入るように見つめる。

部屋の出入り口に倒れている生徒会の先輩と、部屋中央に倒れている男子、

・・・2人が同時に身体を起こし始めた。目が覚めたらしい。

「何が起こった？」と若干混乱気味の先輩と、部屋を見回してチッと舌打ちした男子。何だか対照的・・・。