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第9章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 2

何か飲まされた直後、斎がようやく離れた。私は立ち上がろうとするのだけど、何故か立てない。

キスによって腰が砕けたわけじゃなくて・・・金縛りみたいに身体が動けない事に気付く。

「斎!!」

口だけは動くので、目の前にいると思う斎に叫ぶ。暗くて、姿かたちを捕えられない。

「斎、離して!!」

「無理」

「何でッ」

「無理なものは、無理」

「どうやったら離してくれる訳?」

「どうあっても、あいつらは敵だ。来た以上は、始末する必要がある」

・・・急に始まった話の脈絡に、一瞬何を言ってるのか解らなくなる。

敵?始末?そして思い出す、先輩。思わず口から零れる、問い。

「先輩は、斎の、何?」

「だから、敵。殺すか殺されるか、二者択一。元々、ここに俺を縫い留めてるのはあいつらの先祖、だからな」

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