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第9章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 2

「縫い留め?」

「俺はこの学校の敷地の外には出られない。そういう仕掛けがしてある。しかけたのはあいつらの先祖」

「何のために?」

「殺す為だろ」

そこで、不意に湧き上がる疑問。人から考えて危ない場所になぜ学校が?

「じゃ、何でこの敷地に学校があるの?」

「勝手にヒトが来て、学校を建てた。それが佐倉の先祖。学校の初代理事長。

元々、仕掛けられた当初はこの辺、荒地だからな」

「・・・逃げられないの?」

「無理。だから絢乃が逃げ出した時、追いかけなかったんじゃない。追いかけられないから、的場を寄越した」

・・・だから、的場君が家まで、来た訳・・・。

「これを幾度となく繰り返してる。多分・・・死ぬまで」

誰が?とは聞けなかった。推測は出来た。言葉にするには怖くなった。

・・・いなくなった方が良い相手の筈なのに、それが現実味を帯びてくる。目の前の斎が、いずれは・・・?

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