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第9章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 2

「・・・死ぬの?」

「さぁな」

表情は見えない。声は、何時もと同じに聞こえる。何故か無性に顔が見たくなる。今どんな表情を・・・?

「広野は多分、偵察程度だったようだな。力が無かった、が、次から来るやつはそう簡単にはいかない、かもな」

死んだとされる斎。生きていたと知ったら・・・?

何故、私は広野先輩の心配をしていないのだろう。何故心配する相手が斎なのだろう。斎はヒトではないというのに。

何かにほだされたのか、暗示が効いてるのか、どこまでが私の意思で、どこからが斎の術?

酷く、間違っている。それは解るのに、何故か気になる斎。

「ねえ?」

脳内をぐしゃぐしゃにされた気分で、斎を呼ぶ。全て貴方のせいでしょう?この混乱した私をどう・・・。

「なんで泣いてる?」

「・・・は?」

何を言われたのか理解できなかった。誰が泣いて?

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