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第10章 case5 【私ヲ見テ】 1

・・・軽く考えていた私たちだったのだけど、手紙は毎日毎日下駄箱に届けられた。時間はまちまち。

朝だったり、夕方だったり、はたまた授業中に置かれた感じだったり・・・。

手紙の内容は一律同じ。

『彼方が好きです』

でも、差出人はさっぱり解らないし、これだけ続くと流石に・・・。

「気味が悪いよ」

という悠里ちゃんはもっともだと思う。



斎に話をして聞いてみると・・・。

「誰が置いたか、解らない事は無い」

学校の敷地内の異変は直ぐ解る様だから、教えてくれていいのに。

「絢乃に実害が無い以上、指一本も動かす気は無い」

とこの件に関しては何故かそっけない。

「実害あるよ!!悠里ちゃんが心配なの!!」

頼んでも、宥めすかしても、交換条件で何か頼もうと思っても・・・。

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