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第10章 case5 【私ヲ見テ】 1

「俺が大切なのは、絢乃だけ。絢乃以外はどうでもいい」

・・・そっけないにも程がある。

的場君や永依さんに頼んでみたけど、2人とも答えは同じ。

「斎様にこの件では手伝うな、とのお達しが・・・」

主人には絶対、の彼らに無理強いをすることは少し躊躇ったので、それ以上は、言う事も出来ず。

手紙事件が、2週間経つ頃には、斎の姿を見ると腹立たしくなりつつあった。

「斎のバカ!!」

とはいうものの、気持ち悪いだけで実害は無かったのも事実で、どうしたら解らなくて、悠里ちゃんと途方に暮れつつも・・・あった。

一応、先生に言ったものの、そちらに関しても、ストップになる事は無く・・・、無駄に時が過ぎていく。

実は、その頃から、彼女らにつきまとう影があったわけなのだけど、手紙の方に集中するあまり・・・その視線に気付くことは、まだ無かった。

気付いていたのは、勿論、斎。

そして斎から少し内容を聞かされていた、的場と永依だけ・・・。

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