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第10章 case5 【私ヲ見テ】 1

「ところで岩倉の用は済んだのか?あいつ人呼び出すなんて珍しいから、びっくりしてんだけど」

興味津々の斎藤君。っていうか斎藤君は岩倉君のこと・・・?

「岩倉君のこと知ってるの?」

「んー、中学一緒だったから何となく。でも接点はねえよ」

成程、同中だったなら、少しは知ってるって事もあるよね。例えば・・・。

「岩倉君って、ストーカーになりやすいタイプ?」

小声でだけど、思い切って聞いてみたりして。

「は?ストーカー?」

「絢乃ちゃん、それマズイって」

斎藤君は案の定の反応。悠里ちゃんは流石にまずいと思ったのか、私を窘めた。

「そっか・・・」

息が落ち着いてきたのと同時に、少し冷静になる。流石にストーカーは拙かったかな・・・。

「金本のストーカーなの?あいつ」

2度目は流石に斎藤君もマズイとおもったのか、小声で聞いてきた。

気が付けば、教室に残っているのは、私と悠里ちゃんと斎藤君だけだったので、ストーカー発言は他の人に多分だけど、聞かれなかったと思って少しホッとする。

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