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第11章 case5 【私ヲ見テ】 2

「帰るよッ」

ここは強引にでも帰る、と思って、ボタンに手をかける。止める為に。

「ダーメ。まだ、ここに、入ってないよ?・・・何も」

ツンツンと触れる指。スカートが捲られて、布地の上から。

「ちゃーんと、湿ってる」

「一々口に出さないでよ、恥ずかしいからッ」

「言わなかったら、入れてもいい、とか?」

「今はダメっ」

「絢乃ってケチだな。大体、何であの男とあんなことになってたのかなー?」

「だって・・・成り行きで・・・」

声が尻すぼみになる。大体会いたくてあってたわけじゃ無いから、不可抗力だから。

「成り行きで、襲われそうになってたら困る。絢乃は契約出来ないから、位置把握が正確に把握し辛い。

契約出来ていれば、瞬時に解るのに・・・」

「えっと・・・斎は、誰でも瞬時に把握できると思ってた。敷地内は」

人外の力を持ってるから、何でも出来ると思ってた。まるでそれは神の如く。

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