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第12章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 1

斎藤君と悠里ちゃんが一緒に教室を出ていく。

放課後。外は珍しく雪が降っているから、早めに教室を後にする人が多く、気が付けば、クラスメイトは残っていなかった。

・・・教室内に電気がついていても、どこか薄暗い。

勝手に寮、いうか屋敷?に帰りたいのだけど、勝手に帰る事を斎は許さない。

とはいえ、待つのも面倒・・・。

「ちゃんといるな」

教室のドアを開けて、私を確認する斎。

「・・・遅い」

「そうか?」

斎は私に近寄る事無く、教室の中の暖房と電気を消していく。一気に部屋が暗くなり、暖房が動いていた音もしなくなる。

暗いし・・・静か。

校舎内に人が少ないのか、声が聞こえない。時々、風によってガラスがカタカタと音を立てる。

「寒そう・・・」

目線は自然と窓の外へ。外の雪や風が寒さを自覚させる。

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