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第12章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 1

そして叫ぶような自己主張の間、ガクガクと細かく上下に揺さぶられる身体。捕まれてる肩が、痛い。

しらみつぶしに、探したんだ・・・。

多分、斎が私とお嬢様を合わせない様に何かからくりをしていると思うけど・・・その辺が私に解る訳が無い。

もし屋敷で会ってたら、怖い。今でも修羅場?っぽいのに。

「怒りすぎだよ、お嬢様」

近付き優しく諭す言葉をお嬢様の背後からかけるのは、黒田生徒会長。

「煩いわよ」

対照的に実にそっけない態度のお嬢様。

「大体、貴女の声は聞こえるのに姿が見えないから、腹立たしいことこの上ないわ!!」

「声?」

・・・そんなにあの屋敷は、声が筒抜けだろうか?所在を隠せる斎が、声だけ筒抜けにした理由は・・・?

「と、とにかくッ、声よ、声ッ」

肩を掴んでいた手を離し、視線を私以外微妙にずらしながら、声だけは威勢よく反論する。

視線が合わなくなったことによって、さっきまであった緊張感が緩和する。やっぱり勝手に屋敷にいるという事実からか、少し後ろめたい・・・気持ちはあるし。

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