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第12章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 1

「何やってる」

ものすごく不機嫌な声がして、生徒会長が動きを止め、顔を上げる。

「遅いよ」
「いつきッ」

いつの間にか、斎が佇んでいる。

生徒会長からようやく逃れて、斎の懐に飛び込む。斎は当然の様に抱きしめてくれる。

・・・やっぱり違う。何もかも。

「ところで、遅いってどういうことだ?」

不機嫌な声はまだなおらず。

「そのままだよ。絢乃ちゃん、襲えってお嬢様がご立腹だったし」

「ああ、確かにそこで喚いていたな。だからといって、お前が絢乃に手を出していいとは言ってない。

むしろ、絢乃には手を出すな、と前もって忠告しておいた筈、だ、が?」

「確かにね。ところで、鍵を掛けてたはず、だけど?」

何故入ってこられたのか・・・と首をかしげる生徒会長。

「鍵が甘かったとか?」

対してとぼける斎。斎には鍵など関係ない、と思うから。

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