テキストサイズ

contract

第13章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 2

斎は・・・・・・一体何を?

「声が聞こえたなら、場所を簡単に特定されそうな気がするけど、普通は」

斎が声だけを消せなかった筈は無い。多分、声をわざと聞かせていた・・・と考えた方がしっくりくる。

「・・・全ての声を通していた訳じゃない」



「それも、声を通したのは最近で、数回、数十分」

「それって・・・ランダムに?」

「違う、決めた声を」

決めた声、って何?
ますます意味が解らない。

「・・・意味解らない。何で私の話す声を、お嬢様に聞かせたの?嫌がらせ・・・だよね?」

「ああ、嫌がらせ、だ。ただし、聞かせたのは“話す声”じゃない」

迷路の様なもどかしい会話が続く。

「気になる?」

気になってるから聞いている、というのに、わざわざ聞いてくる。

ここで素直に「気になる」と返しても、いい、のかな?

「気になって気になって仕方ない?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ