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第13章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 2

お嬢様の『それどころじゃない話
』は、最近お嬢様にまとわりついている、お坊ちゃんの事だ。

「お姉様!!」とお嬢様にストーカー並みにつきまとう、1学年下の男。

急にお嬢様にまとわりつき始めたから、初めは警戒しまくりだったのだが、少しずつ態度が変わっている、気がする。

勿論、あのツンデレは継続したまま。

「全くかませ犬なんて必要ないってのに」

呟いた言葉は本音中の本音。

おこぼれすら与えてやる義理は無いから、いっそのこと排除したいのだが、それは斎が却下するから、今のところは渋々許容してやっている。

「お前だけでは、心許ない。それに実際かませ犬はどっちでもいい。」

目的を達する事が出来れは、誰でも良い斎と。

「アイツは邪魔でしかない」

目的を達する為に、他者が邪魔な俺と。

考えている事ははほぼ同じではあるのだが、抱える思いや意図は全く違うので、既にあれこれ意見の相違が出るのは仕方がない。

「そうだろうな。ただ、失敗だけは許されない」

「それは確かに」

どの部分を失敗と言うのか、そこもお互いの間で微妙に違う。

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