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第13章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 2

「で、宴は何時?」

唐突に、話題を変えてみるが。

「まだ教えない」

何時も通りのそっけない返事。

「焦らし過ぎだよ、斎」

宴、と名付けたのは斎。その意味するところは厳密には知らない。

「お前が引っ掻き回すからだ。最近、絢乃にまで抱きついたり、キスマーク勝手につけたり・・・」

「あまり引っ掻き回してない筈だけど?」

「・・・いけしゃあしゃあと」

苦味潰した顔の斎がぽつりと呟く。

絢乃ちゃんに対しては、引っ掻き回すのは最低限にしている。少ない接触機会で、いかに彼女を引っ張り出すか、その一点のみ。

ただ、斎にとってはその最低限すらも腹立たしいらしい。女に執着する奴じゃない様に見えた男も、藤沢絢乃は別格、と言ったところか。

ま、そのトクベツを作ってくれたお蔭で、お嬢様を手に入れる可能性も出てきたわけだが。

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