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第13章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 2

もっと・・・と顔を少し前に動かすと、斎はタイミングよく下がった。

「・・・っ」

逃げちゃヤダ。って咄嗟に思う。けど、距離は数センチ。軽く頬杖をつき、こっちを見る斎は、明らかに余裕がある。

「・・・欲情した?」

改めて指摘されると、気恥ずかしくなる。改めて言うのは止めて欲しい。

「そ、そんなこと、な」
「絢乃から、キスして」

・・・。

イヤだ・・・・・・。とは思わなかった。というコトは、シタイわけ、で。

おまけに答えの出ない宴について、あれこれ考えたってやっぱり答えは出ない訳で。

もう・・・没頭、シタイカモ。

なんて思ったと同時に勢いよく立って、未だ余裕な顔をしている斎の両頬を両手で包んで、若干上向かせつつ、唇を落とした。

チュッ、と。

そして、一瞬離したのち・・・私から舌を絡めようと再度、近付・・・。

「ストップ」

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