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第13章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 2

「味見したのか?」

「したよ。も、もしかして不味かった、とか?」

甘すぎたとか、逆に甘くなさすぎて美味しくない、とか?

慌てて斎からチョコを奪い返そうとするけど。

「奪うな」

「だって、気になる。1つちょうだい」

確かめないと気が済まない。

「口開けろ」

言うと同時に口に飛び込むチョコ一粒。甘すぎないけど、ほのかに甘い。私好み。

「もう1つやる」

と言ったらしい斎。けど、私は聞いてなくて。

ただ、斎の口にあわなかったのなら仕方ないな・・・とぼんやり考えていた。

さっきとは逆に私の顔を両手で固定し、上向かせる斎。そして覆いかぶさるように瞬時に落とされるキスの味は、

とっても、甘くて。

「ンッ」

お互いの口内で溶けるチョコの甘さに、少し酔いしれてしまっていた。

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