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第14章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 3

安心、というか、落ち着いたところで、唇が離れ、

宴の事については教えて貰えないままだけど、斎とは仲直り?でもないけど、上手く収拾がついた、と勝手に思っていた。

が、それがそうでもないと解るのは、次の言葉が口から飛び出したから。

「さて、仕置くか」

「・・・え?」

斎が自分自身の服のポケットから出したのは、紐。

その紐で私の両手首をするすると縛る。問答無用で。

「いや、何を・・・」

反論しながら思い出したのは、さっきまでいた部屋の紗香お嬢様。彼女も同じように紐で両手首を拘束されていた。

「覚悟しろ」

「何をッ?」

声が裏返る。

「過ぎた好奇心は身を亡ぼす」

!!

「だから、躾けてやる」

ニヤリと笑う斎の笑顔は限りなく黒いまま、だ。

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