contract
第15章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 4
使える駒は、何でも使う。全てはこの檻を壊す為に。
唯一の例外、はある、が・・・。
「・・・斎様」
同じく隣に座って、事の成り行きを見ていた的場が、ぽつりとつぶやいた。
部屋の中は薄暗く、表情は見えにくい筈なのだが、今の的場の表情がなぜか解った。
その表情は、困惑。
「・・・後・に・・・・・姫様、が・・・・・・」
言いにくいのだろう。明らかに躊躇した的場。声はほとんど聞こえなかったが、口の動きで読み取れた。
・・・絢乃、か。
つくづく、思い通りにいかない女だ。全くといっていいほど、支配が及ばない、自由な女。
自由を渇望しているわたしにとって、何時まで経っても手の届かない光りのような存在。
堕ちた筈なのに、濁らない眩しい光。
嫉妬と、それを上回る支配欲をそそる唯一の人間。
「鎖に繋げたくなる、な」
四肢を鎖で繋ぎ、鳥かごの様な部屋に監禁したとしても、何故か安心出来ない存在。
唯一の例外、はある、が・・・。
「・・・斎様」
同じく隣に座って、事の成り行きを見ていた的場が、ぽつりとつぶやいた。
部屋の中は薄暗く、表情は見えにくい筈なのだが、今の的場の表情がなぜか解った。
その表情は、困惑。
「・・・後・に・・・・・姫様、が・・・・・・」
言いにくいのだろう。明らかに躊躇した的場。声はほとんど聞こえなかったが、口の動きで読み取れた。
・・・絢乃、か。
つくづく、思い通りにいかない女だ。全くといっていいほど、支配が及ばない、自由な女。
自由を渇望しているわたしにとって、何時まで経っても手の届かない光りのような存在。
堕ちた筈なのに、濁らない眩しい光。
嫉妬と、それを上回る支配欲をそそる唯一の人間。
「鎖に繋げたくなる、な」
四肢を鎖で繋ぎ、鳥かごの様な部屋に監禁したとしても、何故か安心出来ない存在。