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第15章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 4

「殺されたいか?」

口から出たのは低い声。宴の途中でなかったら、瞬殺してもいいと思うくらいには。

「ち、ちょっとした冗談だって。お、怒るなよ、斎」

何時も通りの声で話そうとする黒田。でも所々どもっている。ここまでの怒りを面に見せた事が、黒田には無いから恐怖らしい。

「次に絢乃に手を出せば即殺す」

「わ、解った。だから、もう、睨む、な・・・」

いつもの調子が出ず、しどろもどろ。恐怖で縮み上がろうと、知ったことではない、が、今段階では釘を刺すだけにしておく。

今は、絢乃が先だ。

「他の奴らも・・・欲しいなら続けろ。結果は自ずと出る」

そう、言い放って。

「絢乃」

呼ぶと同時に、右腕を引っ張る。

「いた・・・」

「立て」

ぐいっっと引っ張り、問答無用で立たせる。立たせたところで逃げようとするので、

「逃げるな」

と釘を刺すと、ビクッと声に反応する身体。腰に腕を回し、逃げられないようにがっちり確保する。

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