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第15章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 4

「的場、10分後に絢乃の部屋に来い」

視界の端に的場を捉えたので、そう告げる。何か特別呼び出さないといけない理由は無かったが、報告があれば聞こう、という気持ちで。

それより、さっさとここから離れたかった。厳密には、黒田と絢乃の間に距離を作りたかった。

ドアを開け、廊下に引き摺る様に出す、と同時に、視界が意志をもってぐにゃりと動く。転送先は彼女のベッドの上。

と同時に灯りを点ける。手を使わず、意志のみで。絢乃から少しでも離れると消えてなくなる様な、焦燥感から逃れられない。

「イヤッ」

「どこに行く気だ?」

ベッドから降りようとする絢乃に素早くベッドの上に飛び乗り、仰向けに寝かせ、絢乃の上に跨り座り、見下ろす。目線を逸らすのも今は惜しい。

「言い訳を聞こうか」

「な、何の?」

「何故、あの場所にいた?」

「・・・な、何とな、く?」

何となく、で納得できる者は誰もいない。途切れ途切れの口調が怪しい。何を隠している?

「それで俺が納得するとでも?」

それ以上は黙る絢乃に、1人ずつ名前を口にし、顔色を伺う。まずは的場、次に落合、そして松浦。ここまでに顔色の変化は見られない。

最後に・・・。

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