テキストサイズ

contract

第15章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 4

「それとも・・・黒田、か?」

生徒会長の名前を口にした時、絢乃の身体がピクリ、と反応した。

アイツ、俺の知らない所で何かしかけて・・・。

数十年に一度の宴に気を良くしていた“わたし”は、絢乃の反応で一気に一人称が“俺”に戻る。

「アイツ、やっぱり殺しておくべきだったか」

さっきの事といい、黒田の名前を出すと反応する絢乃といい、いらいらする。

「ころ・・・」

絶句する絢乃に畳みかける。

「絢乃にちょっかい出し過ぎだ。紗香が好きだといいながら、お前と接触する。さっき絢乃を見つけたのも黒田。

・・・アイツのキスは良かったか?」

「良い、わけが・・・」

「それとも、宴に交じりたかったか?」

「まさか!!」

即、口にされた否定。半分ホッとしつつも、半分は燻る苛立ち。

「全く思い通りにはいかないな。絢乃と永依には全く知らせずに今回事を運ぼうとしたのに」

「永依さんも?」

永依が知る訳が無い。的場がそれを許さない。的場は召使の中で良く指示通りに動く、忠実な男だ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ