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第16章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 1

「・・・い、つ・・・き・・・」

喘ぎそうになる声を殺して、唇が離れた瞬間に、名前を呼ぶ。

「まだ余裕がありそうだ」

「違っ・・・ンンンッ」

もう止めて、と続ける筈が、あからさまに喘がない私が不満なのか、逃げ場がないようにしっかりと捕まった状態で、再度吸い付くように強引に唇が合わさる。

そして、1ヶ月前ぐらいから繰り返された言葉をまた、紡ぐ。

「そろそろ学校、辞める気になった?」

「・・・辞めな・・いッ」

「じゃ、続けるしかないよね?」

当然、といった表情で、合わさる唇。飲み込まれる、言葉。

1ヶ月前。それは何となく・・・の会話。

ただ“好き”とか“愛している”辺りの言葉が聞いてみたい、と言ってみた事から始まった。

『絢乃も言わないからお互い様』

『私が言ったら、斎も言うの?』

終わりのみえない言葉の応酬ののち、斎がこう言ったのだ。

『学校を辞めてくれたら、嫌と言うほど、聞かせてあげる』と。

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