contract
第16章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 1
学校を辞めて、屋敷に居ろという。的場君や永依さんの様に。
ただ、私はそれに頷けなかった。卒業して大学に行くには、辞める訳にはいかない、から。
『絢乃が、高校を卒業した後、ここから逃げられると思ってはいないよね?』
当然と言った表情。斎から逃れるの事は、難しいと解っていながらも、
私は流されるまま、ずっと斎の隣にいる、という選択肢を望むほど、未だ覚悟も出来てはいなくて、
今のところ、考えたくなかったから、とりあえず普通に学校に行って、今後の事を考えることを今だけでも止めたかった。
今だけでも“普通”でありたいと願ったのだ。
それを解っているのか、解っていないのか、斎は“辞めて欲しい”と懇願しても、一方的に“辞めろ”とは言わない。
そして、学校を辞めさせるような無理強いは、今のところ一切、ない。やろうと思えば簡単な事だろうし。
斎の屋敷に住み、斎に翻弄されている段階で“普通”なんてものは、既にないと、頭の片隅では解っていたけれど。
斎は何度も聞いてくる。私に触れながら、私自身に選択をさせたいという様に。
『学校、辞める気になった?』と。
ただ、私はそれに頷けなかった。卒業して大学に行くには、辞める訳にはいかない、から。
『絢乃が、高校を卒業した後、ここから逃げられると思ってはいないよね?』
当然と言った表情。斎から逃れるの事は、難しいと解っていながらも、
私は流されるまま、ずっと斎の隣にいる、という選択肢を望むほど、未だ覚悟も出来てはいなくて、
今のところ、考えたくなかったから、とりあえず普通に学校に行って、今後の事を考えることを今だけでも止めたかった。
今だけでも“普通”でありたいと願ったのだ。
それを解っているのか、解っていないのか、斎は“辞めて欲しい”と懇願しても、一方的に“辞めろ”とは言わない。
そして、学校を辞めさせるような無理強いは、今のところ一切、ない。やろうと思えば簡単な事だろうし。
斎の屋敷に住み、斎に翻弄されている段階で“普通”なんてものは、既にないと、頭の片隅では解っていたけれど。
斎は何度も聞いてくる。私に触れながら、私自身に選択をさせたいという様に。
『学校、辞める気になった?』と。