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第17章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 2

「そういえば、ビックリしないんだ」

父親の態度は、以前と変わらない。

親しんだリビングで、均さんと2人。父は・・・飲み物を取りに行った様子。最初、手伝う心算で台所まで行きかけたけど、

『アイツにやらせとけ』と3人掛けソファの隣に問答無用で座らされた。

・・・一応、親なんだけど。

さっき、洗面所で顔を見たけど、やっぱり目の色は変わったまま・・・。

実家に帰る間に、あの幼女が影も形も無く消え去った事だけは、聞いた。

他にもあれこれ質問したけど『後にしろ』の返事しか返って来なかった。

屋敷では斎に対して、あれだけしゃべり倒していた・・・というのに、実家までの会話は、ほぼ無く、

またいつも余裕そうな表情を浮かべているのに、その時だはへらへらもしてなくて、

何時もと雰囲気が違うから、私も諦めてそれ以上の追及その場でしなかった。

「さっき電話した時に、話しておいた。俺的には、ビックリさせた方が面白れぇんだが・・・」

均さんが話し始めた所で、回想を無理矢理終わらせる。隣を見ると、実家までの移動の時と比べて、ゆったりした様子。

「だが?」

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