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第17章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 2

何故、私を隠す必要があったの・・・?

っていうか、大体私何者なの?祖父が何かで、母親がその人間と何かのハーフで、私はクォーター?

イヤイヤ、そういう問題じゃナイ。

・・・と、いうか。

「何だか、肝心なところは、教えてもらえない感じだから、理解しにくい」

今日は何を聞いてもどこか他人事、という感覚が拭えず、まとわりついている。

「その肝心なところは、体感した方が良いんじゃねぇか。隠せないのはもう解ってんだが、今、この場で全部ぶちまけたって、実感ねぇだろ?

斎が何者か、絢乃ちゃんの祖父にあたる人物がナニモノか、そこは追々解るだろうよ。嫌でもな。

ただ、斎に関して言える事は、斎は人間から見りゃ一族によって、あの地に縫い留められた化け物。

今の一族の先祖どもは、斎の息の根を止めるまでには至らなかったんで、仕方なく封印という措置を取った。

絢乃チャンは、斎側、一族側、どっちにも存在を捉えられてんだ。どっちつかず、ともいえるし、お互いの切り札とも言えんな。

今からお前は斎にも、一族にも踊らされる立場になる訳だ。俺は高みの見物は似合わねぇから、漁夫の利を狙ってっけど」

「漁夫の利、って何をする気だ?」

そこで口を急にはさんだ父親。少し強張った顔。心配してくれる父親の・・・顔。

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