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第17章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 2

「腰ぎんちゃくとは酷いですね」

苦笑いと共に、父親が座っていた場所に座る。

「事実じゃねぇか。お前、斎が死ねと言ったら死ぬだろ?」

“死”?

「・・・さぁ?」

物騒な会話。でも、有り得ない話じゃないと・・・思った。

「違うな。死を選ぶ前に、斎の代わりに報復するかもな。刺し違えても、ってヤツ」

「それについては、反論しませんよ。ですから」

「肝に銘じろ、と?」

「そうです」

ふぅーっと煙草の煙を的場君に吹き付け、手元にあった灰皿で火を消す。

「・・・偉くなったもんだな。ただ、俺もお前に忠告するが、お前は斎じゃねぇ。お前に従う理由は、一切、ナイ」

この会話の間、的場君は目線を均さんにロックオンしたまま、言葉を紡ぐ。反らした方が負け、と言った感じの・・・。

それに対して、均さんは何時もと変わりない。大人の余裕か、それとも・・・。

狐と狸の化かし合いは、別の所でやって欲しい。気分的にげっそりする。勝手に当事者になってるこの状況・・・どうしろっていうのよ。

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