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第18章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 3

その一言は、今の私にとってはとっても魅力的に響く。直視してなかった目線を均さんに合わせる。

「苦しいんだろ?楽にしてやろうか?」

楽になる方法が、ナニか?は解っている。一時的に楽になるかも知れないけど・・・。

「突っ込んだら、気持ちいいんじゃねぇの?」

確かに気持ちイイ、けど・・・。

「斎には黙っててやるよ」

・・・・・・誘惑が。

「黙ってりゃ、解んねぇよ?」

・・・・・・けど。

逡巡している間に、ゆっくりと口を覆っていた手を離し、均さんが私と距離を取る。

「ま、待って」

居なくなる!!と思うと急に惜しくなる。思わず手を伸ばして、手首を捕まえる。

「覚悟、出来たか?」

覚悟なんてはっきり言って出来てない。けど、今更隠したってばれちゃってるし、それよりどうにかしたい、の気持ちが強くなって、

微かに首を、縦に振った。

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