テキストサイズ

contract

第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

「あー、漸く出てきたんだ。よろしくね、ふーちゃん」

私を見るなり、そう言った。ふーちゃんって、私の事?

・・・って私は貴女の事、そもそも知らないけど!!

誰!?

ふーちゃん、と私を呼んだ相手は、私の前まで来て、

「ふふふ、誰?って顔してる。大丈夫よぉ、私の事は今から嫌でも名前を耳にするはずだもんねぇ~」

挨拶というよりは、宣戦布告?をされた気分。というか、完全に先生布告でしょ・・・。

ニコニコと笑う顔。でもどこか本気で笑ってない。作り笑いを浮かべ、親しげ・・・というよりは、馴れ馴れしい態度。

「それまで、内緒よぉ。でも、楽しくして、あ・げ・るっ♪」

何を?

「だからさぁ・・・遊ぼーよ」

同じ制服を着ているのに、妙な私にはとっつきにくい華やかさを持つ、意味不明の彼女は、

先生が入ってくると同時に、にこにこ小さく手を振りながら、席に着いた。

私に不安と混乱をもたらしたまま。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ