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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

塞がれた口の中には、いつの間にか何かが口の中を転がる・・・固い粒、塊、錠剤・・・というよりは、カプセル?

斎が口に含ませるものは、見た事が無いけど、感覚的には丸い。今回のは、カプセルみたいに長細い・・・気がする。

暴れても、相手は苦にならないのか、淡々と私を縛ると、私から離れた。

元々部屋は暗かったけど、視界を奪われ、口は塞がれ、手は縛られ・・・。

不意に、カチャッと何かの音。

続けざまにガラリと音。

ピシャンと勢い良い音。

3連続の音がした後、残ったのは静寂・・・。

・・・さっきのって・・・出て行った音?それとも、そう見せかけた音?

落ち着いて推測すれば、鍵の音、引き戸のドアが開く音、ドアが閉まる音・・・で、外側の鍵は閉まっていない・・・気がする。

根拠は無いけど、鍵がかかっていないなら、出られ・・・る?けど、も。

まずは、口の中の異物を吐き捨てたい。少しずつ、唾液が溜まりだし、溶かそうとする。得体の知れない何かを飲み込みたくない。

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