無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

その後聞いた事を、整理すると。

ここは夢の中らしい。よくよく見れは、屋敷のベッドではなく、父と一緒に住んでいた頃の私の部屋のベットの上にいたり、する。

混乱していて、今いる場所にすら気が付かなかった。

で、この部屋の外に出る事は出来ない。

お腹は空かない。トイレも行きたくはならない。ただ、睡魔は定期的にやってくる、らしい。

この部屋にいる間に、私は選ばないとダメらしい。その導き役は2人。

目の前にいる幼女と、もう一人、らしい。

「ちなみに、私は・・・・・・サクラ、にしておこうかな。どうせ仮の名前だし」

だそう。サクラという言葉を聞いて思い出すのは、学校と屋敷の中心にあるとも言える大きな桜の樹、そして・・・斎。

彼の名は咲楽(さくら)、だから。

「そう、私は貴女の彼から名前を借りたの。貴女の今一番大事な存在、のね」

にこり、と微笑む幼女。その笑みには、無邪気さが全くない。

と同時に何か言いたげな視線を私に向けていただけど、私には何も読み取ることは出来なかった。