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第20章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 2

「ラセツ!!」

「叫ばないで、煩いから」

「私をここから出して!!」

「だから、決めて」

「だから、サクラの方に決めたの。サクラは何処?」

「・・・さぁ?」

「・・・・・・いい加減にして!!」

何度となく繰り替ええされた、私の罵倒する言葉と、飄々と返すラセツの言葉。

イライラしながら、ラセツの両肩を揺さぶる、怒鳴る、喚く・・・何をやっても肩すかし。

「ラセツ!!」

そして、またループする会話。

イライラするのはこの現状が打破出来ないから、その1点だと思っていた。

「そろそろ限界?」

「そうよっ! 閉じ込められてうんざり!!」

「・・・だろうね」

ニコリ、と笑うラセツ。その笑みは・・・明らかに黒い。暗い。何か企んで・・・。

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