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第20章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 2

何故か、一瞬怯んでしまった。子どもの姿のラセツに。

よくよく考えれば、子供じゃない。有り得ない存在なのだけど・・・。

「確かに最愛の人を簡単には殺せないよね。でも、恋愛感情って思いこみでしょ?特に咲楽斎に関しては、元々貴女が好きになったから、ではないと・・・知ってるし」

確かに最初は逃げようとしていた。斎から。捕まって、こうなった、という自覚も、ある。

「という訳で、少し、惑わせてあげる」

「は?」

「最愛の人が咲楽斎だけ、の状態から、ね」

「な、何、を」

ラセツを揺さぶっていた腕を手放し、数歩後ずさる。後ろにベッドがあった事を忘れて、思わずよろけて・・・、

ドンッと勢い良く身体がベッドに落ちた、と同時に、

何か、ではなく、明らかにヒトに身体を抑えつけられた感覚。

「離してっ」

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