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第20章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 2

もがき、叫き、抵抗して・・・も逃げられない。

相手は多分男。華奢ではありえない力で私を押し倒し続ける。

何故か部屋は薄暗くなり、顔が見えない。

「誰っ!!」

返ってくる返事は無い。それどころか、押さえつけたまま、首筋に感触。

・・・舌が蠢いて・・・る。

「いやぁぁぁぁぁぁっ」

叫んだ声が部屋中に木霊する。でもそれだけ。

男は無言のまま、己の欲望のまま突き進む。手が素肌の上を滑るのが解る。

「ヤダ、誰?知らない人にヤられちゃうなんて、ヤダ!!」

そう叫んだ時、弄り続けていた男の手が止まる。知っている人ならいいのか?という問題ではないのだけれど、

顔が見えないこの状況は恐怖でしかない。

怯んだ?

と思ったのは、一瞬で。

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