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第21章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 1

「い、痛い」

ようやく絞り出した言葉に、力を緩めるどころか、もっと絞めてきた・・・って殺す、気?

・・・・・・く、苦し過ぎる。

「皆、部屋から出ろ」

くぐもった声。その声に、部屋を出て行く3人。いや、その前に、斎をどうにかして欲しい・・・。

・・・行っちゃった。

「斎、苦しい」

一応、抗議してみるものの、絞め上げられた状態は変わらず・・・。

こ、殺される、かも・・・と限界で、意識が遠のく?と思った時、漸く斎の腕の力が抜けた。

・・・死なずに済んだらしい。

「絢乃、生きてるな」

「・・・絞殺されそうだったけどね」

「今更殺すか。殺すなら、もっと前に殺している」

「もっと前?」

物騒な言葉が斎から洩れる。

「殺せば楽になる、と思った時期もある」

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