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第21章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 1

と、そういえば。

さっきの夢から脱出できた理由は何だったのか?が解らない。

私はサクラに願う事は出来ず、ラセツの希望に沿う事も出来ず、宙ぶらりんのまま、戻った気がするから・・・。

奇妙な夢から出られたから、このままうやむやになるのか、

もしくは、戻ってきても何らかの選択を今後迫られるのか・・・。

出来れば、うやむやになってほしいかも。重い選択は、目の前の斎だけで十分。

それすらも回避したいのが本音だけど。

抱き合ったまま微動だにせず、時間が過ぎて行く。様々な問題はあるものの、戻れた安堵だけは間違いなくて、

ほっとしつつ微睡んでいた、ら・・・、今まで動いていなかった斎が改めて首筋に顔を埋めて・・・、

「ったいッ」

痛みと痕を残し、

「1ヶ月ぶりだから、後も消えてるな・・・」

の独白に、愕然とした。

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