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第21章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 1

「その様子だと、宴の結果は知らされてはいない様だ。確かに紗香は孕んだ」

当時を思い出したのか、少しうっとりした表情で回想する。

「ところがだ!!」

と一気に表情が険しくなる。私を見る目が厳しくなる。否、厳密にいえば、私を通して私の後ろにいる幻に対して。

幻の名は、斎。

「紗香の子は、俺の子では無い、と咲楽斎はあっさり言った。生まれる前にだ。

その頃には、松浦健司は興味を無くしたらしく、このレースから降りたと言うのに!!

何故だ!なぜ一番興味のなかった落合智明を選んだ!?」

宴の争いは出来レースだと思っていた、のかも。

とはいえ、宴の中身はぶっちゃけてしまえば・・・乱交。避妊せず交われば、誰の精子であのオジョウサマが孕むかは、予想できるものでは無いと思う。

それは斎にさえ。

そして、宴自体に一番興味のなかった落合智明を選んだ理由は、斎にしか解らないと思う。

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