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第22章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 2

的場君の声によって、少し安心感を覚える。姫様、と呼ばれる事に対して、今回ほど安堵した事は無い。

いつもは、どこか気恥ずかしいというか、嫌だと思っていた部分もあったのに。

恐る恐る目を開く、と。

部屋の隅で血を吐き喘いでいるガラスが刺さりまくりの黒田生徒会長と、

目の前で背中から一気に日本刀に貫かれている、これまたガラスが刺さりまくりの高野香奈。

ただ、こっちは既に生きていないのか、身体がピクリとも動かず、

床がみるみるうちに、朱に染まっていく。

「・・・ヒッ」

予想以上の衝撃に、小さく悲鳴が漏れた。

貫いた相手は・・・斎。柄を持ち、息が荒い。

「とりあえず、無事か?」

斎の顔を見る。そこで珍しいことに気付く。彼の目が、黒くない。

銀に光って見える髪に真紅の目。明らかに異形。

・・・でも、怖く、ない。

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