
contract
第22章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 2
微かに頷き返す。
私が放心している間に、的場君は私の縛られていた手足を自由にしてくれたみたい。
「姫様、とりあえずここから出ましょう」
「その前に、この外道の始末を手伝え。絢乃も、こいつらの最期を見届けろ」
そう言いながら、高野香奈に刺していた日本刀を引き抜く。
返り血が部屋中に飛び散り、血の匂いが一層充満した・・・気がする。
一番近い斎は返り血で血まみれ。
窓という窓はガラスが割れているから、密閉された空間では無いにもかかわらず。
「血がもったいない」
そう言うと、高野香奈であったものの髪の毛を左手で掴み、窓の方に向かってぶんっと投げ飛ばした。
一気に姿が見えなくなる。ヒトの力では投げられない力を見た。
どこか現実味が無い現実を見せられている。
「黒田博史の手首を後ろ手で縛れ。首にも縄をかけろ」
斎が腰に巻いていた縄を解くと、左手で乱暴な仕草で的場君に放る。
私が放心している間に、的場君は私の縛られていた手足を自由にしてくれたみたい。
「姫様、とりあえずここから出ましょう」
「その前に、この外道の始末を手伝え。絢乃も、こいつらの最期を見届けろ」
そう言いながら、高野香奈に刺していた日本刀を引き抜く。
返り血が部屋中に飛び散り、血の匂いが一層充満した・・・気がする。
一番近い斎は返り血で血まみれ。
窓という窓はガラスが割れているから、密閉された空間では無いにもかかわらず。
「血がもったいない」
そう言うと、高野香奈であったものの髪の毛を左手で掴み、窓の方に向かってぶんっと投げ飛ばした。
一気に姿が見えなくなる。ヒトの力では投げられない力を見た。
どこか現実味が無い現実を見せられている。
「黒田博史の手首を後ろ手で縛れ。首にも縄をかけろ」
斎が腰に巻いていた縄を解くと、左手で乱暴な仕草で的場君に放る。
