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第4章 case2 【貴方ガ欲シイ】 2

「その願い、終わったのちに叶えよう」

その言葉に、歓喜の声を上げる目の前にお嬢様。

それに対して、私は鈍器で殴られた様な痛みを感じ・・・覗いていた隙間から顔を遠ざけ、一目散に逃げかえった。

部屋に。

パタン、という音とともにドアに背もたれ座り込み、顔を手で覆う。

自分自身の勘違いを、目の前で突きつけられた・・・。



私は彼のお気に入りらしい、という自覚があった。でもどこまで本気なのかは解らないけど。

斎はヒトではないと思っているから、世間一般の気に入られ方とは違うはず。

それでも、斎にとって私はお気に入りであるけれど、彼に捕まってから私がずっと思っていた疑問。


彼にとって、私は、何?

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