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第22章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 2

元々話もせず無言でここまで来たのだから、

”言葉を失った”というのは少しおかしい。

ただ、はっきりいって寒々しい部屋の雰囲気に、何を口にしていいのか、解らなくなったのは事実。

電気はなく、壁に等間隔で直接設置してある無数の蝋燭、

地下だから、窓は一切なく、コンクリートむき出しそのままの壁、

部屋の中央に長細い台に白い布が被せて有り、

床には鎖が散らかり、

奥に小さな台1つ、

そして、ほんのりかび臭い匂い。

4.5帖ぐらいの狭い部屋は、現代の日本から外国の中世へとタイムスリップをした錯覚をさせた。

入口から、脚が動かない。固まってしまっている。

まるで、今から処刑か拷問されるよう・・・。

さっきの黒田生徒会長や、高野香奈を見ているから、思考はどうしてもそっちに向かう。

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