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第23章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 3

心臓をわしずかみにされる感覚。目の前の均から目を離せなくなる吸引力。

非日常の中の、現実的な告白に、戸惑いが隠せない。

「俺は身体も欲しいが、心も欲しいんでね。

斎みたいに身体だけ縛ってりゃ、綺乃が手に入るという感覚はねえな」

「均さ」
「今から揺さぶり続けてやるよ。絢乃、覚悟しろよ」

斎と共に生きる覚悟。
均と共に生きる覚悟。

双方から提示されたものは、あまりにも道が違いすぎる。

「お前は今、渦の中心だ。そして俺を選ばせる。絢乃の意思で。

愛しているって言わせてやる」

急展開過ぎて頭が痛い。均さんの暴走についていけない・・・筈、なのに、

押されてる。やられてる。・・・揺さぶられて、いる。

「斎には、何も言わなくてもバレない。アレは今屋敷にいない。的場も永依もな。

で、学校は休め」

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