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第23章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 3

『均さんッ!』

「夜帰れば、夜襲に巻き込まれた時の責任がお前に取れるのか!?」

『斎様が姫様に傷一つ負わす筈がありません』

「・・・大した信頼だな」

『当たり前です』

ふぅ・・・と溜息ひとつ零れたのが耳に届いた後。

「とりあえず、寝ている絢乃チャンを動かす心算はねえ。起きたら帰る。それ以上は、何を言われようと、聞かねえ」

『頑固ですね』

「お前には負けるよ、的場」

『斎様の忍耐が持つ間にお帰り下さい。さもないと、貴方の命の保証が出来なくなりますよ』

そして、ツーツーツー、と電子音。通話は切れたらしい。

「ったく、いい度胸してるな、あのガキ。斎の躾が行き届き過ぎだ」

直後、ガタガタッと乱暴な音。離れた棚の上にでも、放り投げた、らしい。壊れちゃう・・・かも?

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