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第4章 case2 【貴方ガ欲シイ】 2

パタン、とドアが閉まる音とともに、目の前の男の態度は急変した。

手短にあった椅子に座る、何となく馴れ馴れしさを漂わせる男。

「・・・一応、クラスメイトだったんだけどね、憶えてない?」

・・・同級生らしい。えーっと・・・ピンとこない。

「ま、いっか。学校にオレの席はもう無いしね。ただ、オレの事は今後、憶えておいた方が良いと思うよ、姫様」

「姫様って誰よ?」

「貴女の事だよ、姫様。オレは名前を呼ぶ資格が無いからね」

「は?」

相手が何を言ってるのか解らない。呼ぶ資格が無いって・・・どういう意味?

「そうだな、とりあえず自己紹介からしようか。オレは、的場嵩明(まとばたかあき)」

「ま、的場君!?」

名前を聞いて一気に思い出した。7月の途中から急にいなくなった的場君。なのにクラスメイトは的場君の存在すら忘れてて・・・。

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