contract
第24章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 1
「では、これで」
慌てて執事の顔を必死に取り繕って、この場を去る的場君。
残された私は、斎を見る。均さんのお蔭て、いつの間にか怖さが無くなっていて、
斎の顔を真正面から見る事が出来た。
斎も私を見ているけど、それ以上の反応が、返って来ない。
「・・・いつ、き?」
「何で手放させないのか、と思う。殺してしまえば楽になるとも何度も思う。
顔を見るまでは、その心算だった」
近付き、手を取り、引っ張られる。たちまち斎の腕の中。
「顔を見たら、やっぱり無理だと思った。代わりに均を八つ裂きにしてやるとも思った」
・・・均さんも危なかった、らしい。
「均の言い分を聞いて、絢乃を理解している均に嫉妬すると同時に・・・まぁいい」
「・・・なに?」
「また今度。とりあえず、綺乃が足りない」
慌てて執事の顔を必死に取り繕って、この場を去る的場君。
残された私は、斎を見る。均さんのお蔭て、いつの間にか怖さが無くなっていて、
斎の顔を真正面から見る事が出来た。
斎も私を見ているけど、それ以上の反応が、返って来ない。
「・・・いつ、き?」
「何で手放させないのか、と思う。殺してしまえば楽になるとも何度も思う。
顔を見るまでは、その心算だった」
近付き、手を取り、引っ張られる。たちまち斎の腕の中。
「顔を見たら、やっぱり無理だと思った。代わりに均を八つ裂きにしてやるとも思った」
・・・均さんも危なかった、らしい。
「均の言い分を聞いて、絢乃を理解している均に嫉妬すると同時に・・・まぁいい」
「・・・なに?」
「また今度。とりあえず、綺乃が足りない」