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第24章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 1

「父さんにも連絡したいのに・・・」

正月の予定も、普通はあるのだ。

とはいえ、今年というか来年は正月とか普通にまともに迎える事が出来るのだろうか。

昼間は独り言が増えた気がする。原因は、私を軟禁しておきながら、ほったらかす斎のせい。

「何時まで、いないとダメなのかな・・・」

私は何時までかごの鳥をしておけばいいのだろう・・・。

教えてくれる人は誰もいない。

「斎のバカ」

文句の一つも言いたくなる。

屋敷探索もそろそろ行くところも無く限界で、次の暇つぶしを考えないと・・・とも思いつつ、何時もの部屋に戻っていると・・・、

「・・・悪かった」

ぽつり、背後から声がした。振り返れば、目の前にいないと安心して文句を言っていた相手。

「い、斎」

若干、狼狽える。

「今日は、もう一緒にいられる」

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