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第24章 case10 【私ハ貴方ノ手ヲ握ッテ】 1

「斎がいなくて淋しかった、とかそういう問題では無く、

否、そこも問題ではあるけど、

というか、何も知らされず放って置かれた淋しさというか・・・」

「確かに」

・・・脳内で弁解をしていた心算が、どうやら口からダダ漏れだったらしく、

相槌が帰ってきてビックリ。顔を見れば、余裕の笑みまで浮かべちゃってるし。

「いや、あの・・・」

予想外の呟きと、予想外の反応で、何だか赤面しちゃったりしてるし。

・・・何もかも、余裕そうなのがムカつく。

「ワガママは、もう少ししたら全部聞くから、今は勘弁して」

斎は私の手を取り、歩き出すから、自然とついて行くことになる。

っていうか、それは。

「・・・何時まで?」

「数日中」

「数日中?」

「そう、数日中に、ここから出る」

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